掲載日:2007年6月20日

混合ワクチンは3年毎の接種を



やはりワクチンは3年毎でよかったのです
  米国動物病院協会は2003年に混合ワクチンの接種について勧告を出し、1歳以上の犬、猫のコアワクチンは3年毎でよいと発表しました。当院でもこの勧告に従い、2003年の12月からコアワクチンを3年毎の接種にしました。その後、数年が経過しましたが、接種後1年以上たって、ワクチンに関係する病気にかかった犬、猫は1頭もいません。やはりワクチンは3年毎でよかったのです。
ワクチンの種類が増えるほど副作用も増えてきました
  犬のワクチンは致命的な伝染病であるジステンパーやパルボウイルス性腸炎、伝染性肝炎などを予防するために開発されました。これらの病気はどれも感染力が強く、子犬が感染すればほとんど100%近くが死亡する病気です。この重要な3種類の病気に対するワクチンは核(コア)となるものなのでコアワクチンと呼ばれます。一方ここ10年くらいの間、各製薬会社は他社と競争するためさまざまなワクチンを開発し、種類を増やしてきました。3種より5種、7種、今では9種ワクチンまであります。その中にはそれほど重要ではない病気も含まれています。しかし、ワクチンの種類が増えるほど副作用も増えてきました。人のワクチンでは3種混合が最高でそれ以上の多価ワクチンはないと思います。 
毎年ワクチンを接種すること
 

 米国では90年代の終わりから多くの研究者やホリスティックな自然医療を実践している獣医師がワクチンの過剰接種に警鐘を鳴らしてきました。ワクチンの過剰接種は免疫系の混乱を招き、アレルギー、アトピー、癌、腎不全、心不全、テンカンなどの病気を起こすのではないかという議論が欧米では盛んに行なわれてきました。しかし、日本では誰もこの問題に触れたがりません。では、なぜ毎年接種が行なわれるようになったのでしょうか。そして毎年接種すれば犬の身体にどんな変化が起こるのでしょう。
 
今から30年ほど前に恐ろしい未知の伝染病がアメリカで発生し、瞬く間に世界中に広がりました。年齢を問わず、どの犬にも感染し、発病した犬はすさまじい嘔吐、下痢、血便を繰り返し、中には1〜2日で死んでしまうこともあったので「コロリ病」と呼ばれました。この病気は、「パルボウイルス」による感染症であり、ワクチンも作られました。以前からあったジステンパーという病気や新しいパルボウイルス性腸炎があまりにも猛威を振るったので、獣医師のみならず多くの愛犬家の恐れに弾みがつき、いつの間にか毎年ワクチンを接種するようになったのです。

 しかし、毎年ワクチンを接種することに科学的な根拠はなく、ワクチンは接種後3年から7年も効果があることがわかりました。また、ワクチンを毎年接種すると、そのたびに抵抗力が高まるというのも神話でした。生ワクチンは病原性を弱めたウイルスを注射し、そのウイルスが犬の体内で増殖することにより免疫系を刺激して抗体を作らせるのですが、すでに抗体を持っている犬に接種すると、体内に入ったウイルスはすぐ殺されてしまいますので免疫系を刺激することはありません。ですから抵抗力が高まることもありません。毎年の接種は無駄なだけではなく、副作用を生むだけだったのです。このような事実が明らかになり、米国の22の大学では90年代の後半からワクチンの接種を3年毎にしました。また、1998年には猫の専門家の学会がワクチンを3年毎に注射するガイドラインを発表しました。子猫のときに2回ワクチンを注射すると、その効果が3年続くことが証明されたからです。

過剰なワクチンが病気を引き起こす
 

 一方、毎年の過剰なワクチンが病気を引き起こすことも明らかになりました。自己免疫性溶血性貧血という病気がワクチンの接種と関連があることが発見されたのです。調査した例のうち26%がワクチン接種後1ヶ月以内に発症していました。この病気は免疫系が混乱して暴走することによっておこります。また、猫では白血病ワクチンを注射した部位に癌が発生することが報告され、ワクチン誘発性繊維肉腫と呼ばれています。ちなみに当院では猫白血病ワクチンは使用していません。このワクチンは1才以上の猫には必要ないと言われています。

現在、ワクチンを注射した後に関連して発生する病気として注射直後のアレルギーやショック、甲状腺機能低下症、アレルギー性皮膚炎、外耳炎、膀胱炎、関節炎、慢性上気道炎、テンカン、ある種の問題行動などが指摘されています。これらの病気はワクチンの後に高い割合で発生し、治療しても翌年のワクチンの後に再び発生する傾向があるのです。また、ワクチンの過剰接種は免疫系に混乱を与えるので免疫やアレルギーに関連した腎不全や癌など致命的な疾患を誘発する疑いも議論されています。

私の経験からも同じことが言えます。以前、毎年春にワクチンを注射していたころは梅雨時になると皮膚病にかかる犬が多数いました。これは暑くてじめじめした季節のせいだと思っていました。ところが3年毎の接種に切り替えた次の年の春はほとんどの犬にワクチンを打たなかったのですが、梅雨時の皮膚病が激減したのです。それだけではなく外耳炎やアレルギーなど比較的夏に出やすい病気も同じように減少しました。また、癌にかかった犬の病歴を調べるとほとんどの犬が毎年ワクチンを受けていました。そして、アレルギーやアトピー性皮膚炎の犬の多くが毎年のワクチンを中止することで自然に治癒していきました。

ワクチンの中のどのような成分がこのような不調を引き起こすのでしょうか。ワクチンには生ウイルスのほか安定剤としての水銀や牛アルブミンが含まれています。特に牛アルブミンはWHO(世界保健機構)が人のワクチンの安全基準としている量の1,000倍から70,000倍も含まれていることが2005年に判明しました。つまり動物のワクチンは人のワクチンよりも品質が劣り、粗雑に作られていたのです。これらもアレルギーやショックの原因となっているようです。

ワクチンの目的は生命を脅かすほどの感染症を防ぐことにある
 

 英国では2005年からインターベット社というメーカーが4種ワクチンの説明書を3年毎で良いと改めました。当院で使っている5種ワクチンは同じメーカーのものです。しかし、日本での説明書では毎年接種になっています。なぜでしょう。実は日本で発売されている同社のワクチンは5種ワクチンで、1種類だけ加えてあるのです。英国の4種ワクチンはコアワクチンですから3年毎でよいのですが、日本向けの5種ワクチンはパラインフルエンザが加えてあります。このウイルスは単独では病気を起こすことはなく、ほかのウイルスや細菌と同時に感染することにより風邪のような症状をおこします。経過が長引くこともありますが、ほとんどは一週間くらいで自然に治癒します。死亡することはありません。アメリカの専門家の間ではワクチンとして必要かどうかさえ疑問視されています。パラインフルエンザワクチンは接種後1年で効果がなくなるので、これが加わることで、5種ワクチンは1年毎の接種となっていると日本の発売元は説明しています。5種類のワクチンのうち4種類は3年間効果があるのに、1種類だけの効果が1年しかないという理由で、5種類全部を毎年接種しなければならないというのはおかしいと思いませんか。しかも、加えられているパラインフルエンザという病気はそれほど重要なものではなく、ワクチンとして必要なものかさえも疑問視されているのです。私はワクチンの目的は生命を脅かすほどの感染症を防ぐことにあると思っていますから、5種ワクチンの中のコアワクチンである4種類の感染症が防げればよいと思っています。そこで、5種ワクチンを3年毎の接種にしたのです。

犬のワクチンは致命的な伝染病であるジステンパーやパルボウイルス性腸炎、伝染性肝炎などを予防するために開発されました。これらの病気はどれも感染力が強く、子犬が感染すればほぼ100%死亡する病気です。この重要な3種類の病気に対するワクチンは核(コア)となるものなのでコアワクチンと呼ばれます。これにケンネルコフという百日咳のような病気を加えたものが4種ワクチンです。このワクチンを3年毎に接種していれば基本的な病気は予防できます。

小犬のときに2回、その後は1歳、4歳、7歳、10歳まで6回接種すれば十分です。10歳以降の高齢期はワクチンによる副作用が出やすくなると考えられるので接種すべきではないと思います。それよりも健康を維持するための定期的な健康診断やサプリメントにお金を使うべきでしょう。毎年接種するというこれまでの考え方では13歳までは15回もワクチンを接種することになります

もっとも適切なワクチン接種プランを提案いたします
 

ワクチンの副作用や将来おこるかもしれない病気から犬や猫を守るためにはどうすればよいでしょう。それには三つの方法があります。ひとつは毎年の注射を避け、3年以上の間隔をあけるということです。ふたつめはワクチンの後でホメオパシーのレメディを3〜7日間投与することです。ホメオパシーは注射後、長い時間が経っていても効果があります。また、狂犬病の注射の後でも使えます。三つめは1〜2年毎に抗体価の検査を受け、抗体価が下がっているときだけワクチンを接種することです。これまで多くの犬の抗体価を測定してきましたが、3年毎にワクチンを受けていればまったく問題がないことがわかりました。ですから3年毎の接種とホメオパシーでの解毒がお勧めです。

コアワクチンは3年毎でよいのですが、それ以外のレプトスピラ症のワクチンは抗体価が1年未満しか持続しないので、毎年の接種が必要だと思われます。レプトスピラ症を含む混合ワクチンを接種した次の年と2年目はレプトスピラ症の単独ワクチンのみを接種し、3年目に再び混合ワクチンを接種すればよいでしょう。

 当院では個々の動物の健康状態と飼育環境とを考慮して、もっとも適切なワクチン接種プランを提案いたします。

 

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